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西脇 隆文*; 小川 浩司*; 青木 和弘; 吉田 拓海
no journal, ,
断層破砕部のボーリングコア採取自体およびそれを用いた室内試験の難しさから、断層破砕部の室内試験での物性データは世界的にも報告例が少ない。われわれは2011年4月11日に発生した福島県浜通り地震の際に活動した塩ノ平断層(塩ノ平地点)とその南方に位置し活動しなかった車断層(水上北地点)で断層を貫いた浅層ボーリングコア(掘進長約30m)を用いて各種物理試験,透水試験,三軸圧縮試験,一面せん断試験を行った。試験の結果、断層破砕部の試料は母岩である結晶片岩に比べて低い強度定数,弾性定数を示した。また、断層破砕部の中でも断層面を構成する断層ガウジと、その周辺のカタクレーサイトでは物性が異なること、断層ガウジの物性は断層面に働く応力状態を考慮することが重要であることなどが分かった。断層破砕帯の性状は多様であるため、断層破砕帯物性の理解のためには、今後さらなるデータの蓄積が必要である。